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なぜ“大きいハマグリ”を狙うのか

大きいハマグリ(殻長6 cm超)は、身が厚く甘みが濃い。殻の内側に含まれる遊離アミノ酸の量が多いため、出汁にしたときの旨味成分(コハク酸・ベタインなど)が小型個体より豊富である。味噌汁でも酒蒸しでも、ひと口目から「海のミルク」のようなコクが立ち上がる。家庭料理でも宴席でも主役になれる素材ゆえ、多少労をいとわず沖へ足を延ばす価値がある。
私がこれまでに採貝した中で一番大きいのが11㎝となります。
最初に「ハマグリか?」と疑うサイズでした。間違いなくハマグリでしたが11㎝となると大味で美味しいとは感じませんでした。6~7㎝前後が一番おいしいかと思います。
漁場の探し方――“少し沖”の具体的な距離感
- 潮間帯の最外縁よりさらに5〜20 m沖側
干潮時、膝下まで海水に浸かる水深(30〜60 cm)に砂州が残るポイントに着目する。ここは海水の行き来が多くプランクトンが滞留しにくいため、成長したハマグリが密集しやすい。 - 底質は粒が粗めの混砂底
細砂オンリーの干潟より、1 mm前後の貝殻片が混じる底のほうが殻厚の個体が多い。熊手で表層3〜5 cmを削ると、パチンと金属音に似た“殻鳴り”が返ってくる場所が当たりだ。 - 春‐初夏の大潮前後
水温15〜20 ℃、潮位差が大きい日を選べば作業時間が伸びる。満潮に向けて海水が戻るまでの約2時間が勝負どころだ。
装備と服装――ウェットスーツがもたらす3つの利点
沖でハマグリを採る際にはウェットスーツが必需品です。
やはり全身が海水に浸ってしまう状況では寒さを感じます。
また、日焼け対策にもなりますので大変便利なアイテムですよ!!
最近では6000前後で購入できますので、ぜひ準備されることをおすすめいします。
装備名 | 機能 | 得られるメリット |
---|---|---|
33mmフルスーツ(ネオプレーン) | 保温・浮力 | 体温低下を防ぎ長時間作業が可能。腰まで浸かっても冷えにくい。 |
マリンブーツ+ソックス | 足裏保護 | 割れ殻やカキ殻での切創を防ぐ。 |
作業用グローブ | グリップ力 | 貝を掴む際の滑落防止。 |
熊手(3~4本爪) | 砂掻き | 表層を薄く剥ぐことで殻を傷つけずに済む。 |
ネット袋(目合い5 mm) | 収容 | 海水を抜きつつ砂を落とせる。 |
ウェットスーツ導入の核心
- 保温力:水温がまだ低い春先でも体幹温度を維持でき、集中力が切れない。
- 浮力:腰‐胸まで浸かっても足場が安定する。斜め掘りで体勢が崩れにくい。
- 安全性:クラゲ刺傷や貝殻の裂傷を最小限に抑える。
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採取の手順
- 掘り幅は“靴一足分”
表砂を一気に掘り返すと逃げ腰のハマグリが潜ってしまう。熊手の幅だけ薄く引きはがし、貝殻の硬質感を音と手応えで確かめる。 - “三角掘り”で効率化
①正面→②斜前方→③自分の足元の順に三角形を描くように掘ると、砂の崩落が少なく穴が埋まりにくい。 - 60 cm四方を区画採り
一か所で5~6個体を確保したらすぐ横へスライド。広範囲を粗く探るより、同心円状に丁寧に区画するほうが大サイズの取り逃しが少ない。
ワンポイント
熊手の先端にハマグリが当たったら、爪を寝かせて砂ごと手で掬い上げると殻割れを防げる。また、熊手を使わずに足の感覚でハマグリを探すのも傷つけない方法の一つです。
持ち帰りと下処理
- 海水運搬で“活かし”
大型個体は砂抜きに時間がかかる。採取地点の海水をポリ容器に汲み、クーラーバッグで遮光しながら持ち帰る。 - 3%塩水+暗所で12時間
バットに殻口を下向きに並べ、新聞紙で覆って暗くすると吐き出しが早い。途中で軽く貝を振り、再度同じ濃度の塩水へ交換すると雑味が抜けやすい。 - 殻擦り洗浄
洗米用ネットに入れて流水下で殻同士を擦り合わせると、表面の泥膜が剥がれやすい。
大ハマグリを生かす料理法

酒蒸し
- 鍋底に昆布を敷き、日本酒をひと回し(殻重量の10%)加える。
- 蓋をし中火で加熱、殻が半開きしたら弱火に落とし1分。
- 煮汁に淡口しょうゆ少量で整えれば、磯香と甘みが際立つ。
網焼き
- 殻を下にして強火遠火。
- ぷくりと膨らみ湯気が上がったら、身をこぼさぬよう殻を水平に保ったまま食す。
- レモンと藻塩のみで素材感を味わうのが王道。
潮汁(うしおじる)
- 酒蒸し後の煮汁+水を足し、昆布だしで割る。
- アクを丁寧にすくい、塩で味を微調整。
- 焼きネギを添えると甘露な風味が増す。
Q&A――疑問を一気に解決
Q | A |
---|---|
採ってはいけないサイズは? | 地域条例で“殻長3 cm未満禁止”などの下限が定められている場合が多い。事前確認が必須。 |
ウェットスーツが無い場合の代用は? | 胸までのウエーダー+発熱インナーでも可。ただし長時間浸水すると下半身が冷える。 |
砂抜きが十分かわからない | 殻を開けた際、透明な海水が吹き出すようならおおむね成功。濁る場合は再度塩水交換。 |
安全・マナーのポイント
- 潮位チェック:干潮からの返し潮は意外と速い。腰まで入る場合、退路を常に意識する。
- 採捕量の節度:大サイズは資源回復に時間がかかる。家庭で食べ切れる分だけを持ち帰る。
- 穴埋め戻し:掘り跡は踏み固めて自然の景観を維持する。
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